初めまして。
バイクパッキング歴3年で計100回以上自転車キャンプをしているサイトウといいます。
このページでは誰でもバイクパッキングを始められるように
どこよりもわかりやすく、丁寧に、ビギナーがバイクパッキングを始めるまでのサポートをします。
僕も初めは自転車キャンプの始め方がわかりませんでした。
なんとか自転車に詳しい人やショップ店員の方に聞きながら試行錯誤を繰り返し、バイクパッキングを学んでいきました。
私の知識を少しでもみなさんに共有して、このガイドを補助輪として使ってもらえればと思います。
できるだけわかりやすく解説していくよ!
このガイドではバイクパッキングビギナーのよくある疑問の全てを解決していきます。
- まずは何から考えればいいの?
- どんな自転車・スタイルがいいの?
- キャンプに必要な準備物は?
- どのキャンプ場に行けばいいの?
- どうやって自転車に荷物を積めばいいの?
【STEP0】バイクパッキングって何?
そもそも「バイクパッキング」って何なのか、何をするのかを解説していきます。
「とにかくバイクパッキングの始め方が知りたい!」という方は
「【STEP1】目標を決めよう」に進んでいただいてOKです。
ここを知らないとバイクパッキングができないということもないので、
気になる方だけ読んでみてください。
バイクパッキングとは?目的は?
自転車と聞くと移動手段やスポーツのイメージが強いと思います。
そんな自転車に荷物を積んで自然の中を旅しよう!という遊びがバイクパッキングです。
実は「バイクパッキング」という言葉は人によって定義が違います。
- キャリアを使わずに自転車に荷物を積載する方法
- 純粋に自転車に荷物をくくりつける行為そのもの
をバイクパッキングということもあります。
しかし、このブログでは
自転車に荷物を積んで自然に触れ合うアクティビティ
として、自転車+αの遊び方を共有していけたらと思います。
バイクパッキングでできることは?
自転車でなくとも車や公共交通機関を利用してキャンプすることはできます。
しかし、バイクパッキングでは他で得ることができなかった自然との一体感を感じることができます。
例えば用途に合った荷物を積むことでこんなことができるようになります。
- 衣食住のギアを積んでキャンプ
- 釣竿やバケツを積んでフィッシング
- パンク補修グッズを積んでグラベルライド
- 輪行ギアを積んでのロングライド旅行 など
この自然との一体感はなかなか言葉にすることが難しいけれど、やった者のみぞ知ることができる領域です。
【STEP1】目的を決めよう
ここからは具体的に、バイクパッキングができるようになるまでのステップを解説していきます。
STEP1では「あなたにとってのバイクパッキングの目的」を考えていきます。
目的といってもきっちり決めなくてもよいし、後から変えてもよいです。肩に力を入れずに読んでみてください。
キャンプ場やルート、ギア決めの指針になるのでざっくりでも考ておくとGood!
最初に考えることは2つ!
最初に以下の2つを考えましょう。
最終的に行きたい憧れの場所
現段階の実力的には難しくても、いつかは自転車で旅したい夢の場所。
みなさんにもできれば行ってみたい憧れの場所があると思います。
例えば私は、伊豆大島にチャレンジすることが目標でした。
小学生の時から、日本唯一の砂漠やバウムクーヘンと呼ばれる断層を一度みてみたかったからです。
みなさんにもそんな場所があれば、バイクパッキングの目標としましょう。
ライドメイン?キャンプメイン?
次にバイクパッキング旅での過ごし方を、ライドメインにするのか、キャンプメインにするのかを検討しましょう。
過ごし方を明確にすることでルート設定やギアを検討するための軸になります。
ライドメインの場合は持っていくギアを最小限にして、なるべく長い距離を走りたいですよね!
【STEP2】スタイルを決めよう
次はどんなスタイルでバイクパッキングを楽しんでいくのか考えます。
自分の持っているバイクやかっこいいと思うものから、理想のスタイルを決めていきましょう。
どんなスタイルがあるの?
バイクパッキングには大きく2つのスタイルがあります。ライド性能を重視するか、積載量を重視するかでスタイルが異なってきます。
自分の持っているバイクや目的地での過ごし方からスタイルを検討しましょう。
バイクパッキングスタイル
キャリアなどをつけずに自転車にバッグを直付けするスタイルです。
ダボ穴のない自転車にも対応できますが、積載容量が限られてきます。
- ロードバイクなどキャリアを付けられないバイクに乗っている人
- ライド重視でとにかく軽くしたい人
キャリアスタイル
自転車にキャリアをつけて、荷物を積載するスタイルです。
キャリアを装着する必要があるのでバイクを選びますが、積載容量が多く大抵のソロ用ギアは積載可能です。
日本1周するサイクリストの方に多いスタイルです。
- キャンプ重視で色んなギアを持っていきたい人
スタイルの探し方は?
世界にはいろいろなスタイルを楽しんでいる方がいて、個性の出しどころになっています。
自分はどんなスタイルがいいのかInstagramで探してみましょう!
「#Bikepacking」で検索すると、世界中のバイクパッキングスタイルを見つけることができます。
バイクバッグを決めよう!
バイクバッグの種類は様々で、それぞれに特徴があります。
ビギナーはまず30~40Lで自分の自転車につけられるものから選んでいきましょう。
30~40Lあれば一般的な軽量化キャンプギアは積載することができます!
【STEP3】ギアをそろえよう
STEP3ではキャンプギアを揃えていきます。
普通のキャンプでは機能性や快適性でギアを選んでいくこともありますが、
バイクパッキングにおいては2つのキーワードを意識してください。
バイクパッキングギア選び2つのポイント
軽量
ビギナーはベースウェイト7~8kgを目安にしましょう。
ベースウェイトとは、水・食料・燃料などの消費アイテムを除いた荷物の総重量です。
登山などでなるべく身軽にキャンプすることを「ウルトラライト(UL)キャンプ」と呼びます。
ULの基準は4~5kgになりますが、登山と違い荷物を自転車が運んでくれるため、そこまでの軽さは必要ありません。
個人的に7~8kg程度で大抵の峠は越えられるレベルになります。
コンパクト
バイクバッグに収納できるサイズ感にしましょう。
バイクパッキングでは自転車にギアを積んで、問題なく走行できるかが重要になってきます。
ギアの重量と収納サイズを意識しながらギアをそろえていきましょう。
また、ギアをそろえる際は以下の4ジャンルに分けて考えると抜け漏れが少なくて済みます。
- 衣 … 行動中、就寝時のウェア
- 食 … 調理用品、食料に関係するギア
- 住 … 宿泊時の住居、睡眠に関係するギア
- バイク … バイクに関係するアクセサリー、工具
「具体的に何を用意すればいいのかわからない」という人のためにギアリストを準備しました。
以下を参考にギアを準備してみてください。
「住」で必要なギア
ギア | 必要性 | ポイント |
---|---|---|
テント | 必須(タープでも可) | ビギナーには結露が少ないダブルウォールがおすすめ |
タープ | 必須(テントでも可) | アジャスター付きだとバイクをポール代わりにしやすい |
ペグ | 必須 | 軽量・頑丈・安価なチタンペグがおすすめ |
ロープ | 必要に応じて | 基本的にはテント付属のものだけでOK |
グランドシート | 必要に応じて | 雨の場合はあったほうがいい |
ハンマー | 不要 | 石で代用可能 |
ライト | 必須 | メインとサブの2つ持っていくと安心 |
シュラフ(寝袋) | 必要に応じて | 夏ならシュラフシーツのみでもOK |
シュラフシーツ | 必要に応じて | 夏ならこれ1枚でもOK。冬はシュラフのブーストに |
マット | 必須 | コンパクトなエアマットがおすすめ |
「食」で必要なギア
ギア | 必要性 | ポイント |
---|---|---|
クッカー | 必須 | 湯沸かしならチタン、料理ならアルミがおすすめ |
バーナー | 必須 | 最初はガスバーナーが手間がなくておすすめ |
マグ | 必要に応じて | コーヒー、お酒を飲みたければ必要 |
カトラリー | 必須 | 先割れスプーンがあれば大抵のものは食べられる |
ドリンクボトル | 必須 | ライド中の飲水、調理中の水運搬に利用 |
焚き火台 | 必要に応じて | 焚き火する場合はソロ用で十分 |
薪割りナイフ | 必要に応じて | 焚き火する場合は必要 |
ライター | 必須 | バーナーや焚き火の火種に利用 |
「衣」で必要なギア
ギア | 必要性 | ポイント |
---|---|---|
ライドウェア | 必須 | 汗抜けの良さが重要 |
ウィンドウブレイカー | 必須(レインウェアとの兼用可) | 山間部の温度変化に対応 |
レインウェア | 必須(ウィンドウブレイカーとの兼用可) | 体温低下を招くため、上下あると望ましい |
キャンプウェア | 必須 | ライドの疲れがとれるように、リラックスできるものがよい |
「自転車」で必要なギア
ギア | 必要性 | ポイント |
---|---|---|
携帯ポンプ | 必須 | ロング・グラベルライドではパンク修理の準備は必須 |
携帯工具 | 必須 | 同上 |
予備チューブ | 必須 | 同上 |
パンク修理セット | 必須 | 同上 |
輪行バッグ | 必要に応じて | 輪行する場合は必要 |
ロック | 必須 | 小型で堅牢性が高いものが良い |
【STEP4】目的地・ルートを決めよう
STEP3までで必要なものはそろいました。
STEP4では最初にチャレンジする目的地とルートを決めていきます。
バイクパッキング上級者になると野営することもありますが、
ビギナーは情報が豊富なキャンプ場を目的地にしていきましょう。
バイクパッキングと相性のよいキャンプ場は?
バイクパッキングは人力で移動する必要があるため、キャンプ場との相性があります。
キャンプ場選びのポイントを説明していくので、参考にしてください。
設備より立地
初めのうちからロングライドや峠越えが必要なキャンプ場は避けたほうが無難です。
余裕を持って到着できるキャンプ場を選びましょう。
バイクパッキングでは衣食住を全て持ってキャンプ場に向かうため、
設備より立地が重要になってきます。
最低限汗を流せるとよい
設備は重要じゃないといっても、最低限汗は流せるとよいです。
特に夏場は汗を流さないと寝つきが悪くなり、疲れが取れません。
設備では温泉やシャワーがあるか確認しましょう。
予約不要だと気軽
予約不要のキャンプ場では、決められた時間に到着する必要がありません。
不測の事態が起こっても対応できたり、途中気になった施設や名所に寄ったりできるので、
バイクパッキングをより楽しめます。
ルートを決めるには?
ルートの作成自体はGoogle Mapや自転車NAVITIMEなどアプリを活用するのが簡単です。
ここでのポイントは自走でいくか、輪行するかを検討することです。
例えば、東京の区内に住んでいる場合、奥多摩の自然豊かな地域まで行くには少なくともコンクリートジャングルを30km以上走破しなければなりません。
あくまでバイクパッキングの目的は自然に触れ合うことになります。
自分の体力と相談して、時には輪行も選択肢に入れましょう。
僕は輪行して目的地の近くから自走することが多いよ!
【STEP5】パッキングしてみよう
目的地まで決まったら実際にギアをテストパッキングしてみます。
そもそも積載が可能なのか、問題なく走行できるかを事前に確認しましょう。
何かしらの問題があれば荷物を見直すかパッキング方法を工夫するか検討していきます。
どこにパッキングするかは「使用頻度」「重量」で決める
使用頻度
ライド中の使用頻度が多いスマホやカメラ、補給食などは手の届く範囲に積載するのがおすすめです。
私はフロントバッグやステムバッグに積載することが多いですが、ウェストバッグなど身につけるタイプのバッグに詰めてもOKです。
重量
重量の大きいものはなるべくバイクのセンターラインに積載しましょう。
特にフレームバッグは荷物の重さの影響が少ないので、重量のあるものを積むとよいです。
パッキングに便利なアクセサリーもあるよ!
パッキングしていくと、「もう少しだけ容量があれば…」ということがよくあります。
特に当日、出発前に忘れ物を思い出したとき、すでにバッグがパンパンで積むスペースがない、なんてこともしばしば。
そんなときの救世主がストラップやケージなどパッキングアクセサリーになります。
有名なものにVoile Strapがありますが、念のため2本程度は準備しておきましょう。
【STEP6】Go to Ride!
ここまできたらバイクパッキングの準備は完璧なので安心してください。
当日が近づいてきたら天候や荷物の最終チェックを進めましょう。
また、当日の過ごし方についてのTipsも紹介します。
当日の天候は逐一チェックしよう!
雨の中のライドはビギナーにはおすすめできません。
降水確率が50%を超えたら延期することも選択しましょう。
シュラフやウェアが雨で濡れてしまうと体温低下のリスクが高まり、
最悪の場合、旅の続行ができずに帰宅することになります。
バイクのトラブルは事前に備える
長距離やグラベルライドではバイク故障のリスクを常にはらんでいます。
パンク、チェーン切れやディレーラーの故障などは旅をしていく中でよくあることです。
なにが起きても対応できるように、事前に応急修理スキルを身につけておきましょう。
私も最初はパンクの修理すらできず、何かトラブルがあったらどうすればよいのかとても不安でした。
そんな方には、まずタイヤの交換から練習することをおすすめします。
タイヤの交換ができるようになると、パンク修理など簡単なトラブルへの対応はある程度可能になります。
もしどうしても作業に不安がある場合、レッカーが可能な自転車保険もあるので検討しましょう。
【STEP7】旅を振り返ろう
はじめてのバイクパッキング旅お疲れさまでした。
自然との一体感や自転車でキャンプができた達成感を実感していますか。
しかし、STEP1で立てた目標に向けてあなたのバイクパッキングはまだまだ続きます。
次回の旅に活かすため、今回の反省と改善点を洗い出しましょう。
反省点を洗い出してみよう!
今回の旅での反省点がたくさんあったかと思います。
私もこれまで何度もバイクパッキングしていますが、反省のない旅はありません。
反省を次回に活かすため、忘れないうちに書き残しておきましょう。
次回に向けて改善方法を考えよう!
反省点を洗い出したら、次回どうやったら改善できるのか考えましょう。
追加のギアが必要であれば購入したり、体力に問題があれば筋トレや有酸素運動をしたり、
次回のバイクパッキングに備えていきましょう。